花火師っていう仕事は黒くなる
あぁ、日焼けは当然だけど、そういう意味じゃなくって。
腹黒い。
それは生まれつきだ。
そういうのでもなくって。
打ち揚げ火薬が黒色火薬だもんで、文字のとおり黒いわけ
んで、
打ち揚げ前の仕込みとかは、身体が汚れないんだけど
打ち揚げが終わった後で汚れることが多いのよ。
玉を打ち揚げると筒の内側にススがつくのね。
あと、比較的小さい玉で構成されているスターマインに限って
90年代中盤あたりから、どんどん使い捨ての紙筒になったのね。
ブ厚くて巨大なトイレットペーパーの芯がたくさんダンボールに入ってユニットを構成しているわけ。
花火大会終了後の舞台裏
それなんか必要に応じて防炎加工してあるけど基本は紙だから
火が残っているおそれがある。
帰りの車の中で発火なんかされちゃったら大変でしょ。
だから打ち揚げが終わったら必ず水をダブダブになるくらいかけるのね。
で、蹴っ飛ばして横向きにして水を抜いて。
で、トラックに積んだり。
小規模な現場はウチのお店の1BOXカーに詰め込むんだけど。
その時に、まっ黒なスス汁で着衣を汚す場合がありますな。
習字のときに使う墨は松の木を焼いて出たススを集めて固めて作るんでしょ。
まんま習字の墨汁と一緒だわ。
で、その天然墨汁がタレてきて服を汚すというわけ。
だから衣服は黒ばっかり
そういうわけで、僕のタンクトップしゃつ、ノースリーブシャツ、Tシャツは黒ばっか。
ズボンも黒でカーゴポケットが付いてるやつ。
着替えてないわけじゃないんだw
ま、そんな感じで長年過ごしてたのね。
今でこそ化繊の派手目な色の服ばっかりだけど
花火師に化繊の服は厳禁。
火の粉で穴だらけになっちゃうし、それなら笑って済むけど
何か悪い偶然が重なって大きな炎とかに巻き込まれると化繊が溶けたプラッチックになって肌に貼り付いて大惨事だわ。
それと、もっと怖いのは静電気ね。
こいつは、あなどれない。
この静電気のせいで 過去、どんだけ花火屋が吹っ飛んでるか。
まぁ、前置きが長くなっちゃったけど
黒いタンクトップシャツは長年の愛用歴から
着ると、すっごく落ち着きます。