かつて原作 三島由紀夫、主演女優 山口百恵の某映画が撮影された島。
鳥羽沖に浮かぶ小さな島々のうちで、かつて鳥羽藩の流刑地にも使われた最も遠い島。
昨日の昼に、ここの出身者の方から聞いた話じゃ。
周囲4キロというから
最も幅のある場所でも1キロ程度の小さな島に
それまで店屋といえば駄菓子屋が1軒だけだったのだが、待望の居酒屋がオープンしたそうじゃ。
他に娯楽など無いのでオープン当初から客入りは上々。
そのうえ
ほとんどの島民は漁業で生計を立てているので
悪天候で海が荒れると漁ができず
一日中居酒屋に入り浸っていたそうじゃ。
ところが、会計がまずかった。
ツケOKだったのじゃ。
漁師というものは収入が不安定なので
ツケは当たり前の社会風潮だったというわけ。
ところが、困ったことにツケを払えない者が出てきた。
普通の田舎者だと当事者が払えなくても身内が肩代わりするだろう。
話を聞いている途中、僕もそう思ったのだけど
事実は違ったそうじゃ。
ツケが払えない若者の親が居酒屋に怒鳴り込んだと。
その理由が
「そんな店をやっている方が悪い」と。
現代語で言うところの逆ギレである。
無茶苦茶やな…
そのような状態が重なって、島にオープンした待望の居酒屋は
とうとう店を閉めてしまったそうじゃ。
田舎は確かに連座制で信用保証とか治安が守られている一面もあるけど
それより個々の家のチカラ関係が優先するってのを思い知らされた話。
以上、フィクションでした。
と、一応言っておこう。