小学3年生くらいだった頃
近所に間口がスライドするサッシ2枚分だけの
婆さんが1人でやってるような小さい店がありまして。
売ってるものは外からよく見えないんですが
総菜屋っぽい感じ。
で、いつしかそのサッシに「かき揚げあります」って
習字で使う半紙みたいな白い紙に筆書きしたのが貼ってあって。
その店の前を通る度
ゴクリとツバを飲み込んだものです。
子供の頃に熱を出すと
母ちゃんが「何か食べたいものある?」ってリクエストを聞いてくれるので
南蔵院の裏門の近くの店で「かき揚げ」を買ってきてほしいって頼んだんですわ。
で、期待に胸を高鳴らせて夕飯タイム。
するとどうでしょう。
細切りの野菜をゴチョゴチョって揚げたカタマリ。
こみ上げてくる「コレじゃない感」
僕は「かき揚げあります」の貼り紙を見て
牡蠣の天ぷらみたいなのを想像してたんですけど
あの美味しい牡蠣に衣を付けて揚げたらどんなに美味しいか…
まだ脳内に残っている「あこがれのかき揚げ」との落差に
ひどく落胆したのを強く覚えてます。